テラヘルツ水のインフルエンザウイルスに対する不活化効果試験
一般財団法人生物科学安全研究所
試験の目的
テラヘルツ水の2種類のインフルエンザウイルスに対する不活化効果及び有機物の有無による不活化効果への影響を調べる目的で実施した。
試験成績
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インフルエンザウイルス(IFV)不活化試験
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1に示す。
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%BSA供試ウイルス液の試験において、滅菌MilliQ水と混合し1分及び15分間静置した対照試料のウイルス含有量の平均値はそれぞれ106.42及び106.58TCID50/mL、被験検体と混合し1分及び15分間感作した試験試料のウイルス含有量の平均値はそれぞれ≦102.25及び≦101.50TCID50/mLであった。
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%BSA供試ウイルス液の試験において、滅菌MilliQ水と混合し1分及び15分間静置した対照試料のウイルス含有量の平均値はそれぞれ106.17及び106.08 TCID50/mL、被験検体と混合し1分及び15分間感作した試験試料のウイルス含有量の平均値はそれぞれ≦102.25及び≦101.50TCID50/mLであった。
また、0%BSA供試ウイルス液の試験における1分及び15分間、10%BSA供試ウイルス液の試験における1分及び15分間のLRVはそれぞれ≧4.1、≧5.0、≧3.9及び≧4.5となり、全ての試験条件においてLRVは2以上であった。
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豚インフルエンザウイルス(SIV)不活化試験
ウイルス含有量の測定結果を表2に示す。
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%BSA供試ウイルス液の試験において、滅菌MilliQ水と混合し1分及び15分間静置した対照試料のウイルス含有量の平均値はそれぞれ105.50及び105.83TCID50/mL、被験検体と混合し1分及び15分間感作した試験試料のウイルス含有量の平均値はそれぞれ≦101.67及び≦101.50TCID50/mLであった。
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供試ウイルス液の試験において、滅菌MilliQ水と混合し1分及び14分間静置した対照試料のウイルス含有量の平均値はそれぞれ105.58及び105.67TCID50/mL、被験検体と混合し1分及び15分間感作した試験試料のウイルス含有量の平均値はそれぞれ≦101.83及び≦101.50TCID50/mLであった。
また、0%BSA供試ウイルス液の試験における1分及び15分間、10%BSA供試ウイルス液の試験における1分及び15分間のLRVはそれぞれ≧3.8、≧4.3、≧3.7及び≧4.1となり、全ての試験条件においてLRVは2以上であった。
考察及び結論
滅菌MilliQ水とIFV又はSIVを混合し、室温で1分及び15分間静置した時のウイルス含有量は1分と15分で大きな差はなく、時間経過によるウイルスに減少は認められなかった。また、試験品であるテラヘルツ水とIFV又はSIVを室温で1分及び15分間感作させた時のウイルス含有量からLRVを算出すると2以上となり、実施した全ての試験条件において不活化効果が認められた。また、供試ウイルス液に含まれる有機物(BSA)による不活化効果への影響は認められなかった。
以上から、本試験系において、試験品であるテラヘルツ水にインフルエンザウイルス又は豚インフルエンザウイルスを感作させた場合、1分間以上の感作で不活化効果が認められ、供試ウイルス液に有機物(10%のタンパク質)が含まれていても不活化効果への影響が無いことが確認された。
テラヘルツ水のインフルエンザウイルスに対する不活化効果試験
一般財団法人生物科学安全研究所
試験の目的
テラヘルツ水のインフルエンザウイルスに対する不活化効果を調べることを目的として実施した。
試験成績
1)予備試験
MDCK細胞に対する検体の細胞毒性を確認する目的で希釈液と検体を1:9の割合に混合したものを希釈液で10倍階段希釈し、MDCK細胞に接種した。その結果、混合したものを希釈液で10倍希釈したものにおいても細胞毒性が確認されなかったため、試験試料を希釈液で10倍希釈したものから本試験に
用いた。
2)本試験
IFVの試験成績を表1、SIVの試験成績を表2に示す。
テラヘルツ水と供試ウイルス液を9:1で混合し、室温で1分及び15分感作させた後のウイルス含有量を測定し、LRVを算出した。その結果、IFVでは1分で3.2、15分で≧4.4、また、SIVでは1分で2.3、15分で≧4.3であった。
結論
今回の試験において、テラヘルツ水とIFV又はSIVを9:1の割合に混合し、室温で感作させたとき、どちらのインフルエンザウイルスにおいても、感作後1分でLRVが2以上になることが確認された。以上から、テラヘルツ水(CA-C-01、PH12、アルカリ性テラヘルツ水)は、インフルエンザウイルス(A/Aichi/2/68 株)及び豚インフルエンザウイルス(A/swine/和田山/5/69株)を短時間で不活化できることが示された。
テラヘルツ水のインフルエンザウイルスに対する不活化効果試験
一般財団法人生物科学安全研究所
試験の目的
テラヘルツ水のインフルエンザウイルスに対する不活化効果を調べることを目的として実施した。
試験成績
1)予備試験
MDCK細胞に対する検体の細胞毒性を確認する目的で希釈液と検体を1:9の割合に混合したものを希釈液で10倍階段希釈し、MDCK細胞に接種した。その結果、混合したものを希釈液で10倍希釈したものにおいても細胞毒性が確認されなかったため、試験試料を希釈液で10倍希釈したものから本試験に
用いた。
2)本試験
IFVの試験成績を表1、SIVの試験成績を表2に示す。
テラヘルツ水と供試ウイルス液を9:1で混合し、室温で1分及び15分感作させた後のウイルス含有量を測定し、LRVを算出した。その結果、IFVでは1分で3.2、15分で≧4.4、また、SIVでは1分で2.3、15分で≧4.3であった。
結論
今回の試験において、テラヘルツ水とIFV又はSIVを9:1の割合に混合し、室温で感作させたとき、どちらのインフルエンザウイルスにおいても、感作後1分でLRVが2以上になることが確認された。以上から、テラヘルツ水(CA-C-01、PH12、アルカリ性テラヘルツ水)は、インフルエンザウイルス(A/Aichi/2/68 株)及び豚インフルエンザウイルス(A/swine/和田山/5/69株)を短時間で不活化できることが示された。
MCウオーターの不活化効果試験
一般財団法人生物科学安全研究所
試験の目的:
MCウオーターのインフルエンザウイルス、大腸菌及び黄色ブドウ球菌に対する不活化効果を調べる目的で実施した。
試験成績
1)試験品の調製
使用直前の試験品のpHは12.7であった。
2)インフルエンザウイルス(IFV)不活化試験
ウイルス含有量の測定結果を表1に示す。
対照試料のウイルス含有量の平均値は105・25TCID5。/mLであった。15秒間及び30秒間感作後の試験試料のウイルス含有量の平均値はそれぞれ≦102・42及び≦102・00TCID50/mLであり、1分間、5分間、15分間、30分間及び60分間感作後の試験試料のウイルス含有量は全て検出限界である≦101・50TCID50/mLであった。また、15秒間、30秒間、1分間、5分間、15分間、30分間及び60分間感作した時のLRVはそれぞれ≧2.8、≧3.2、≧3.7、≧3.7、≧3.7、≧3.7及び≧3.7となり、全ての試験条件においてLRVは2以上であった。一方、参照試料のウイルス含有量の平均値は全ての感作時間において検出限界以下になったが、参照品による細胞毒性が出現したため、検出限界値は103・50TCID50/mLとなった。このことにより、参照品の試験におけるLRVは全ての試験条件で≧1.7となった。
3)大腸菌不活化試験
大腸菌の不活化試験の結果を表2に示す。
大腸菌濃度7.4×105CFU/mLの供試菌液を試験に使用した。その結果、15秒間、30秒間及び1分間感作後の試験試料を接種した平板培地には菌の発育が認められ、5分間、15分間、30分間及び60分間感作後の試験試料を接種した平板培地には菌の発育が認められなかった。一方、参照試料を接種した平板培地については全ての感作時間において菌の発育が認められなかった。
4)黄色ブドウ球菌不活化試験
黄色ブドウ球菌の不活化試験の結果を表3に示す。
黄色ブドウ球菌濃度3.4×105CFU/mLの供試菌液を試験に使用した。その結果、15秒間、30秒間、1分間及び5分間感作後の試験試料を接種した平板培地には菌の発育が認められ、15分間、30分間及び60分間感作後の試験試料を接種した平板培地には菌の発育が認められなかった。一方、参照試料を接種した平板培地については全ての感作時間において菌の発育が認められなかった。
5.考察及び結論
使用直前の試験品のpHは規格値である12以上の12,7であり、試験品の調製に問題は認められなかった。
インフルエンザウイルス不活化試験における試験品の試験では全ての試験条件においてLRVは2以上であり、短い時間の感作においてもインフルエンザウイルスに対する不活化効果が確認された。一方、参照品の試験では細胞毒性が出現したため、全ての試験条件でLRVは≧1.7となり、不活化効果に関しての明確な判定が実施出来なかった。
大腸菌不活化試験では大腸菌濃度7.4×105CFU/mLの供試菌液と試験品を1:
99で混合した場合、5分間以上の感作で不活化されることがわかった。一方、参照試料では15秒間以上の感作で不活化されることがわかった。黄色ブドウ球菌不活化試験では黄色ブドウ球菌濃度3.4×105CFU/mLの供試菌液と試験品を1:99で混合した場合、15分間以上の感作で不活化されることがわかった。一方、参照試料では15秒間以上の感作で不活化されることがわかった。
以上から、本試験系において、ウエルパス手指消毒液0.2%に大腸菌及び黄色ブドウ球菌を感作させた場合、それぞれ15秒間以上感作することで不活化効果があることが確認されたが、インフルエンザウイルスに対してはウイルス含有量測定に使用する細胞に毒性が出現し、不活化効果の確認ができなかった。一方、MCウオーターにインフルエンザウイルス、大腸菌及び黄色ブドウ球菌を感作させた場合、それぞれ15秒間、5分間、15分間以上感作することで不活化効果があることが確認された。