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15種類 ウイルスに対する抗 ウイルス効果
酪農学園大学 獣医学群 獣医学類 獣医ウイルス学ユニ ッ ト 桐澤 力雄
試験概要
腐食性や皮膚刺激性がなく安全性が高いテラヘルツ水による消毒技術の可能性を検討するために、15種類のウイルスを用いてそれらに対する抗ウイルス効果の確認試験を実施する。
結果
テラヘルツ水と各種ウイルスを室温で1時間反応させた後の抗ウイルス活性を調べた。表1にDNAウイルスの成績、表2にRNAウイルスの成績を示す。その結果、今回対象としたDNAウイルスおよびRNAウイルスに対してエンベロープの有無にかかわらずテラヘルツ水はウイルス不活化作用を示した。
テラヘルツ水の不活化機序を調べる目的で、ウイルスと1時間反応させた後のウイルスゲノム量を調べた。表3にDNAウイルスの成績、表4にRNAウイルスの成績を示す。その結果、DNAウイルスではテラヘルツ水処理でウイルスゲノム量に変化はみられずゲノム破壊に至っていないことが示唆された。これに対し、RNAウイルスではエンベロープの有無および一本鎖・二本鎖にかかわらずテラヘルツ水処理後のゲノム量は激減しており、ゲノム破壊に至っていることが示唆された。アスタリスクで示した部分については、一度試験を行ったが、確認試験が必要との判断をし、数値を入れていない。近日中に確認試験を実施し報告する。
以上の成績より、テラヘルツ水は種々のウイルスの不活化に有効であり、RNAウイルスではテラヘルツ水はウイルス内部のゲノムまで作用し、これを破壊することが示唆された。
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