MCウオーターの不活化効果試験

一般財団法人生物科学安全研究所

試験の目的

MCウオーターのインフルエンザウイルス、大腸菌及び黄色ブドウ球菌に対する不活化効果を調べる目的で実施した。

試験成績

1)試験品の調製

使用直前の試験品のpHは12.7であった。

2)インフルエンザウイルス(IFV)不活化試験

ウイルス含有量の測定結果を表1に示す。

対照試料のウイルス含有量の平均値は105・25TCID5。/mLであった。15秒間及び30秒間感作後の試験試料のウイルス含有量の平均値はそれぞれ≦102・42及び≦102・00TCID50/mLであり、1分間、5分間、15分間、30分間及び60分間感作後の試験試料のウイルス含有量は全て検出限界である≦101・50TCID50/mLであった。また、15秒間、30秒間、1分間、5分間、15分間、30分間及び60分間感作した時のLRVはそれぞれ≧2.8、≧3.2、≧3.7、≧3.7、≧3.7、≧3.7及び≧3.7となり、全ての試験条件においてLRVは2以上であった。一方、参照試料のウイルス含有量の平均値は全ての感作時間において検出限界以下になったが、参照品による細胞毒性が出現したため、検出限界値は103・50TCID50/mLとなった。このことにより、参照品の試験におけるLRVは全ての試験条件で≧1.7となった。

 

3)大腸菌不活化試験

大腸菌の不活化試験の結果を表2に示す。

大腸菌濃度7.4×105CFU/mLの供試菌液を試験に使用した。その結果、15秒間、30秒間及び1分間感作後の試験試料を接種した平板培地には菌の発育が認められ、5分間、15分間、30分間及び60分間感作後の試験試料を接種した平板培地には菌の発育が認められなかった。一方、参照試料を接種した平板培地については全ての感作時間において菌の発育が認められなかった。

4)黄色ブドウ球菌不活化試験

黄色ブドウ球菌の不活化試験の結果を表3に示す。

黄色ブドウ球菌濃度3.4×105CFU/mLの供試菌液を試験に使用した。その結果、15秒間、30秒間、1分間及び5分間感作後の試験試料を接種した平板培地には菌の発育が認められ、15分間、30分間及び60分間感作後の試験試料を接種した平板培地には菌の発育が認められなかった。一方、参照試料を接種した平板培地については全ての感作時間において菌の発育が認められなかった。

5.考察及び結論

使用直前の試験品のpHは規格値である12以上の12,7であり、試験品の調製に問題は認められなかった。

インフルエンザウイルス不活化試験における試験品の試験では全ての試験条件においてLRVは2以上であり、短い時間の感作においてもインフルエンザウイルスに対する不活化効果が確認された。一方、参照品の試験では細胞毒性が出現したため、全ての試験条件でLRVは≧1.7となり、不活化効果に関しての明確な判定が実施出来なかった。

大腸菌不活化試験では大腸菌濃度7.4×105CFU/mLの供試菌液と試験品を1:

99で混合した場合、5分間以上の感作で不活化されることがわかった。一方、参照試料では15秒間以上の感作で不活化されることがわかった。黄色ブドウ球菌不活化試験では黄色ブドウ球菌濃度3.4×105CFU/mLの供試菌液と試験品を1:99で混合した場合、15分間以上の感作で不活化されることがわかった。一方、参照試料では15秒間以上の感作で不活化されることがわかった。

以上から、本試験系において、ウエルパス手指消毒液0.2%に大腸菌及び黄色ブドウ球菌を感作させた場合、それぞれ15秒間以上感作することで不活化効果があることが確認されたが、インフルエンザウイルスに対してはウイルス含有量測定に使用する細胞に毒性が出現し、不活化効果の確認ができなかった。一方、MCウオーターにインフルエンザウイルス、大腸菌及び黄色ブドウ球菌を感作させた場合、それぞれ15秒間、5分間、15分間以上感作することで不活化効果があることが確認された。

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